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中東情勢による原油調達環境の悪化が住宅価格に与える影響とは?新築・中古別に解説

住宅に関する知識

中東情勢による原油調達環境の悪化が住宅価格に与える影響とは?新築・中古別に解説

■ はじめに

昨今の中東情勢の緊奮化に伴い、原油やナフサの調達環境が急激に悪化しています。

そもそも原油は、加熱して沸点の違いによって成分ごとに分ける「分留(ぶんりゅう)」という工程を経て、さまざまな製品へと生まれ変わります。不純物の除去や分子の組み替えを行うことで、ガソリン、軽油、灯油、重油などの燃料だけでなく、プラスチックや合成繊維の原材料となる【ナフサ】が作られます。これらは交通、電力、日用品にいたるまで、私たちの生活のあらゆる分野を支えています。

一見すると「原油」と「住宅」はそこまで大きな関係がないように思えるかもしれません。しかし実際には、建築コストや住宅価格に直接的・間接的な大きな影響を与えます。

「ナフサは足りている」という情報や石油連盟会長の会見もありましたが、現場の肌感覚としては、すでに4月から5月の段階で各メーカーの価格上昇という形で影響が出始めています。そして、一度上がってしまった物価は、簡単には元に戻りづらいのが現実です。

本記事では、原油価格の変動がこれからの住宅市場にどのような影響を与えるのかを、新築・中古それぞれの視点で分かりやすく解説します。


■ 原油価格と住宅の深い関係

原油は車のガソリンだけでなく、住宅のいたる所に形を変えて使われています。

  • 建築資材(プラスチック製品、断熱材、接着剤、防水シート、ビニールクロスなど)
  • 輸送コスト(資材を運搬するトラックの燃料など)
  • 重機・設備(現場の工事で使う重機の燃料など)

ここに書ききれないほど多くの建材の製造・流通に原油が関わっているため、原油価格が上がると、建築コスト全体が自動的に押し上げられる構造になっています。


■ 新築住宅への影響

① 建築コストの上昇と資材不足

原油価格の高騰や材料不足は、コストの上昇だけでなく「完成時期の遅れ」にも直結します。

例えば、屋根の重要な防水材である「ルーフィング(下葺き材)」には、石油由来のアスファルトが使われています。つまり、原油価格の上昇は屋根のコスト上昇に直結するのです。それだけでなく、接着剤やシーリング材(コーキング)、塗装剤、断熱材など、あらゆる素材において各メーカーから値上げや出荷制限の通知が届いています。

現在は、ユニットバスやトイレなどの住設機器でも「新規受注停止」や「上限を設けた制限受注」が発生しており、新築の価格上昇や工期の遅れを引き起こす要因となっています。

【エリアのリアルな動向】
福島県内で現在売り出し中の物件はまだ価格が据え置かれているものが多いですが、お隣の宮城県では、メーカーによって現在売り出し中の物件を100万〜300万円値上げするという通知が入っています。

これはまだ氷山の一角に過ぎず、今後の状況次第では他メーカーも一斉に値上げへ踏み切る可能性が非常に高いと考えられます。また、すでに着工した建売住宅の一部で完成時期が「未定」になるなど、影響は本格化しています。今後市場に出てくる新規物件は、最初から価格が上がった状態になる可能性が極めて高いと言えます。

【結果】分譲住宅・注文住宅ともに、価格が上がる可能性は大

② 住宅価格への転嫁(仕様・グレードの低下)

建築会社やハウスメーカーは、コスト増をそのまま抱え込むわけにはいかないため、販売価格に反映せざるを得ません。その結果、市場では以下のような動きが起こります。

  1. 同じ仕様のまま、純粋に価格がアップする
  2. 価格を維持するために、住宅の仕様(グレード)をダウンさせる

過去の「コロナショック」や「ウッドショック」の際にも、以下のようなグレードダウンが見られました。

  • 電子キー(タグキーなど)の廃止 ➔ 標準仕様から手動キーへ(※実は私もこの時期に家を購入したため、自宅に電子キーがありません…!)
  • 浴室暖房乾燥機 ➔ 通常の換気扇へ変更
  • オール電化仕様 ➔ プロパンガス仕様へ変更

これまでは「価格は据え置きだけど設備グレードが下がる」というケースが目立ちましたが、今回は「価格が上がった上で、さらにグレードも下がる」というダブルパンチになる可能性も大いにあります。

③ 供給(引き渡し)の遅れ

資材の流通が不安定になると、着工遅れや完成遅延が日常化します。
実際に現場では、「4月に着工して6〜7月に完成予定だった物件が、着工未定になる」「3月まで順調だったのに、4月に突入した途端に工事が止まり、5月完成へ延期になる」といった事態がすでに発生しています。


■ 中古住宅への影響

① 間接的な価格上昇

新築住宅の価格が上がると、中古住宅の相場もそれに引っ張られて上昇する傾向があります。また、「新築が高すぎて手が届かないから、中古にしよう」と考える購入層が増えるため、中古住宅の需要が高まり、結果として価格が押し上げられます。

② リフォーム費用の上昇

「中古住宅を購入してリフォームする」という選択肢を検討する場合も注意が必要です。
新築と同様に、リフォーム現場でも大量の接着剤、資材、設備機器が使われます。それぞれの単価が上がることで、リフォーム総額が大きく膨らんでしまうのです。
そのため、今後は「リフォーム費用を抑えるために、手を入れる必要が少ない『築浅物件』に人気が集中する」と予想されます。

③ 市場の動き(購入判断)の活発化

新築価格の高騰に伴い、以下のような理由から一時的に中古市場の動きが活発になる(買い手が急ぐ)可能性があります。

  • 新築から中古への検討シフト
  • 「これ以上高くなる前に買おう」という早期の購入判断

■ 今後の見通しと注意点

新型コロナウイルスが蔓延した時もそうでしたが、現在の状況は先を見通すことが非常に困難です。この事態が早期に収束するのか、それとも長期化してしまうのか……。

■ 今後の見通しと注意点

新型コロナウイルスが蔓延した時もそうでしたが、現在の状況は先を見通すことが非常に困難です。この事態が早期に収束するのか、それとも長期化してしまうのか……。

プロが伝える「今、住まい探しで損をしないためのアドバイス」

このような先行き不透明な状況のなかで、私たちが今、お客様に一番お伝えしたいのは「価格が下がるのを待つための『買い控え』は状況によってはリスクにもなり得る」ということです。

一度上がってしまった建築コストや住宅価格は、新型コロナウイルスの時もそうでしたが、情勢が落ち着いたからといってすぐに元に戻るわけではありません。むしろ、「待っている間に希望のエリアの物件が出尽くしてしまった」「さらに仕様が下がってしまった」というケースも十分に考えられます。

大切なのは、社会情勢に振り回されすぎず、「自分たちの現在の予算に合う、無理のない物件をスピーディーに見極めること」です。特に現在の市場では、まだ価格が据え置かれている物件や、リフォームの手間が少ない優良な築浅中古物件から順番に成約しています。

「今の時期、新築と中古どちらを選ぶべき?」「自分たちの予算に合う物件はまだある?」など、
どんな小さな疑問でも構いません。まずは一度、地域の市場動向を知る私たちプロへお気軽にご相談ください!

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