24時間換気システムとは?住宅選びで知っておくべき換気の基礎知識とポイント
【徹底解説】24時間換気システムとは?住宅選びで知っておくべき換気の基礎知識とポイント
目次
- はじめに
- 換気の重要性とは?
- 建築基準法と24時間換気義務化の背景
- 換気の3つの方式(第1種・第2種・第3種)
- 24時間換気システムのメリット
- デメリット・注意点
- 実際の住宅でよく採用されている換気方式とは?
- メンテナンスと定期点検の重要性
- 冬の寒さ・夏の暑さ対策に関わる換気の工夫
- 花粉・PM2.5・ウイルス対策と換気の関係
- よくある誤解とQ&A
- 購入前に確認したいチェックリスト
- まとめ:快適な暮らしのために
1. はじめに
住宅選びやマイホームの購入を検討している方の中には、「24時間換気システムって何?」「本当に必要なの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、住宅における「24時間換気」の必要性と仕組みについて、ご紹介します。
2. 換気の重要性とは?
人が生活する上で空気の質は非常に重要です。密閉された室内では、以下のような問題が起こる可能性があります:
- 二酸化炭素(CO₂)の蓄積
- ホルムアルデヒド等の化学物質によるシックハウス症候群
- カビやダニの発生
- 湿気の滞留による建物の劣化
これらを防ぐためにも、「計画的な換気」は欠かせません。
ここ最近だと新型コロナウイルスが蔓延し、対策として換気がすごい注目されましたよね。
また、CO2は厚生労働省による建築物環境衛生管理基準にて空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準があり
ア 浮遊粉じんの量 | 0.15 mg/m3以下 |
---|---|
イ 一酸化炭素の含有率 | (令和4年3月31日まで) 100万分の10以下(=10 ppm以下) ※特例として外気がすでに10ppm以上ある場合には20ppm以下 (令和4年4月1日以降) 100万分の6以下(=6ppm以下) ※特例に関する規定は廃止。 |
ウ 二酸化炭素の含有率 | 100万分の1000以下(=1000 ppm以下) |
エ 温度 | (令和4年3月31日まで) (1) 17℃以上28℃以下 (2) 居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと。 (令和4年4月1日以降) (1) 18℃以上28℃以下 ※(2)の規定について、変更はありません。 |
オ 相対湿度 | 40%以上70%以下 |
カ 気流 | 0.5 m/秒以下 |
キ ホルムアルデヒドの量 | 0.1 mg/m3以下(=0.08 ppm以下) |
と定められています。
著者は実際に弊社で販売しているシリーズの住宅に住んでいますが、第3種換気を採用した住宅です。
下の画像は24時間換気の吸気口を開け、約1日のCO2の濃度の推移を表示したものになっています。
睡眠時で大体800、運動時には1000をこえているのがわかると思います。
吸気口を開けずに休日を1日すごした場合の推移も下に貼ります。
15:22あたりには1000をこえていますね。
3. 建築基準法と24時間換気義務化の背景
2003年の建築基準法改正により、新築住宅には「24時間換気システム」の設置が義務化されました。
これは、シックハウス症候群対策として導入されたもので、有害な化学物質の室内濃度を下げるために常に空気を循環させる必要があるとされたからです。
4. 換気の3つの方式(第1種・第2種・第3種)
第1種換気(機械給気+機械排気)
- 給気も排気もファンを使って強制的に行う
- 気圧も一定に保つことができ、安定した換気を行える(空気の流れを設計しやすい)
- 高性能だが設備費用が高い、ラニングコストもかかる
- 熱交換型などを使用する事により外気との温度差に悩まされることもない
- 稼働音がする(静音タイプも存在するが夜などの静かな環境だと気になる場合もある)
第2種換気(機械給気+自然排気)
- 病院などに使われるが、一般住宅ではまれ
- 正圧になるため隙間があればそこに向かって空気が出ようとします。戸建てだとお部屋等の湿気も含んだ汚れた空気が、屋根裏や壁のに入り込むため、急激に冷やされた場合結露にもつながります。その為木造住宅ではまず使われません。
第3種換気(自然給気+機械排気)
- 排気はファンで強制的に行う事により負圧になる(外の気圧より低い状態になる)ので、吸気口から自然に空気が入ってきます。
- 自然吸気の為、外気温に左右され若干冷暖房の効率が落ちる
- 吸気口にはフィルターが付いているが、花粉などは素通りしてしまうため適切なフィルター選びが必要
- 自然吸気の為稼働音もなく静か
- しかし吸気口は穴が開いているだけなので外の音が入り込みやすい
- 住宅で最も多く採用されている
- ランニングコストが安価で施工も容易・メンテナンスも容易
- 負圧なので、吸気口を閉めてもコンセントの隙間などから風の流れを感じる(対策されていた場合には流れません)
- 一般的な建売住宅はこの第3種換気を取り入れています。
5. 24時間換気システムのメリット
- 室内空気の清浄化
- 湿気を逃すことによるカビの抑制
- 結露の抑制
- 建物の寿命を延ばす
- 健康的な暮らしを支える
6. デメリット・注意点
- 冷暖房効率が下がることもある
- 電気代がかかる
- フィルター掃除が必要
- 外の騒音や臭いの影響
7. 実際の住宅でよく採用されている換気方式とは?
第3種換気が一般的ですが、近年は第1種熱交換型も増加しています。選ぶ際は住宅性能や家族構成に応じた検討が必要です。
8. メンテナンスと定期点検の重要性
- 給気口フィルターの掃除(1〜2ヶ月ごと)
- 排気ファンの点検(半年〜1年ごと)
- ダクトの清掃(5年ごと目安)
9. 冬の寒さ・夏の暑さ対策に関わる換気の工夫
- 熱交換換気システムの導入
- 吸気口の位置の工夫
- 風向きと通風の設計
- 設置後は空気の流入量の調整
10. 花粉・PM2.5・ウイルス対策と換気の関係
フィルターの性能によって、外気の汚染を除去できます。
花粉・ホコリ除去・PM2.5・ウイルス粒子など、各メーカーが様々なフィルターを販売しています。
11. よくある誤解とQ&A
Q:冬は寒いから止めてもいい?
A:基本的には止めない方が良いです。結露やカビの原因になります。
人が住まなくなった中古住宅が一気に劣化するのは24時間換気がないor電気を止めてしまったケースが多く空気がこもるのが原因です。
Q:音がうるさいのでは?
A:静音設計の機種も増えています。吸気口も対策ができます。
Q:電気代はどのくらい?
A:第三種換気と第一種換気で変わりますが年間で数千円〜1万円程度が目安です。
12. 購入前に確認したいチェックリスト
チェック項目 | 内容 |
---|---|
換気方式の種類 | 第1種?第3種? |
熱交換型かどうか | 省エネ性に関わる |
フィルターの性能 | 花粉やPM2.5対応か |
メンテナンスのしやすさ | 掃除の頻度と難易度 |
給気口の位置 | 冷気や音の影響を避けられるか |
空気の流れ | 家全体の換気計画 |
13. まとめ:快適な暮らしのために
24時間換気システムは、ご家族の健康と住宅の寿命を守るための基礎設備です。
住宅購入時には間取りやデザインだけでなく、空気環境にも注目しましょう。
また、建売物件で現在の主流である第三種換気の吸気口から入ってくる外部の音問題やその他の換気手法に関してはまた来週日曜日に公開いたします!
当社では、24時間換気の内容も丁寧にご説明しております。見学時のご相談もお気軽にどうぞ!24時間換気が標準仕様になっている郡山市の新築不動産情報はこちら!